2014年3月の記事一覧

PyFoamのインストール

pyFoam インストール手順


事前準備

 OpenFOAMは既にインストールされているとします。

 OSは,Ubuntuだとします。

pythonのバージョン確認

 pyFoamは,プログラミング言語python で書かれたツール集です。実行のためには,システムにpythonがインストールされていることが必要です。

 一般的なLinuxシステムでは,すでにpythonがインストールされているでしょう。

 PyFoamは,Python 2.3 以降のバージョンで動作が確認されているようです。バージョン2のなかで,より新しいバージョンを使う方がよいです。

  ただし,Python 3 では動かないようです。 最新版のPythonは,バージョン3系です。バージョン2から3で,大きな変更がありました。そのため,バージョン2にしか対応していないものが,たくさん存在します。PyFoamも,その1つです。

 下記コマンドを実行すると,インストールされているpythonのバージョンが表示されます。念のため,そのバージョンが,2.?.?であることを確認してください。(?にはそれぞれ数字が入ります。)

python --version

 万が一,2.?.?でない場合は・・・  

python関連ライブラリのインストール

 PyFoam は,グラフィカルな表示やその他の仕組みに,ライブラリを利用しています。それらをインストールします。

 ターミナルから,下記コマンドを実行してください。

sudo apt-get update

sudo apt-get install python-numpy python-gnuplot python-qt4 python-vtk python-dev gnuplot-x11

 上記パッケージを使うために必要なモノを含めてインストールするか,確認されます。そのまま実行キーを押してください。インストールが始まります。


インストール作業

 下記サイトを参考にして,インストール作業を行います。ここでは,通常ユーザーとしてインストール ”Installation as a regular user” することとします。

http://openfoamwiki.net/index.php/Contrib_PyFoam#Installation


PyFoamのダウンロード

 下記サイトの12.2 Current version から,最新版をダウンロード。2014年3月4日現在は,0.6.2が最新版。(なお,subversionが使える方は,そちらから最新版を取得してもOKです。)”the tar file with the sources and documentation” というリンクをクリックすると,PyFoam-0.6.2.tar.gz のダウンロードが始まります。好きな場所に保存してください。ここでは,$HOME/Downloads に保存したとします。

http://openfoamwiki.net/index.php/Contrib_PyFoam#Downloads


PyFoamの展開

  ダウンロードしたファイルは圧縮されています。これを展開します。下記コマンドを順に実行すると,ホームディレクトリにPyFoam-0.6.2というディレクトリが作成されます。ファイルブラウザからダブルクリックしても良いです。

cd

tar xvf ~/Downloads/PyFoam-0.6.2.tar.gz


PyFoamのインストール

 PyFoamをインストールするディレクトリを作成します。ここでは,$HOME/OpenFOAM/PyFoamにインストールするとします。下記コマンドを実行します。

mkdir ~/OpenFOAM/PyFoam

 PyFoamを展開したディレクトリに移動する。下記コマンドを実行する。

cd ~/PyFoam-0.6.2

 PyFoamのインストールスクリプトsetup.pyを実行する。その際,インストール先を指定する。下記のコマンドを実行する。これによって,インストール先ディレクトリの下に,binとlibの2つのディレクトリが作成され,各種ファイルが格納されている。

python setup.py install --prefix=~/OpenFOAM/PyFoam

 ライブラリへのパスを,PYTHONPATH として登録する。スクリプトへのパスも追加しておく。下記コマンドを実行して,テキストエディタを起動して.bashrcファイルを開く。

gedit ~/.bashrc

 テキストエディタで,下記2行を.bashrcファイルの末尾に追記する。

export PYTHONPATH=~/OpenFOAM/PyFoam/lib/python2.7/site-packages/:$PYTHONPATH

export PATH=~/OpenFOAM/PyFoam/bin:$PATH

(注意)上記の lib/python2.7 部分は,pythonのバージョンによって異なります。$HOME/OpenFOAM/PyFoam/libの中にあるディレクトリ名を書いてください。


PyFoamのインストール確認

 新しい端末を起動すれば,PyFoamが利用できる状態になっている。

 下記コマンドが実行できることを確認する。インストールが成功していれば,OpenFOAMとPyFoamに関する情報が表示される。

pyFoamVersion.py


PyFoam 利用例


PyFoamを使って残差を表示しながら計算実行

 pyFoamPlotRunner.py 使う。いつものソルバ実行方法で,ソルバ名の前に pyFoamPlotRunner.py を付ければ良い。

 例えば,シングルプロセッサーで,icoFoamを実行する場合には,下記となる。

pyFoamPlotRunner.py icoFoam

 プロセッサを2つ使った並列計算で,icoFoamを実行する場合には,下記となる。

pyFoamPlotRunner.py --procnr=2 icoFoam

 pyFoamPlotRunner.py の一般的な使用方法は下記となる。

pyFoamPlotRunner.py [options] [foamApplication] [foamOptions]

 オプションや使い方については,--helpオプションを付けて実行することで,ヘルプを見ることができる。

pyFoamPlotRunner.py --help


その他の利用方法など

 春日さんのサイトにいろいろと情報があります。

http://www.geocities.jp/penguinitis2002/study/OpenFOAM/PyFoam/PyFoam_memo.html


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